系(常磐線白電/ステンレス車・新塗装)

 常磐線の401・403・415系は1960(昭和35)年の登場当初は赤13号地にクリーム4号警戒帯のいわゆる交直流標準色でしたが、1985(昭和60)年3月17日〜同年9月16日に茨城県谷田部町 (現・つくば市) で開催された国際科学技術博覧会 (つくば科学万博−EXPO '85) のメインアクセスとなる常磐線のイメージアップの一環として新塗装に変更されることになり、1983(昭和58)年8月に第1陣として登場した401系K23を皮切りに順次塗装変更が開始されました。前年の57-11改正で登場したばかりの115系3000番台に準じた塗分け (ただし色は異なる) となっています。因みに窓下に入る青帯は科学万博のシンボルカラーである青 (青20号) が採用されました。

 万博開催直前に実施される60-3改正に間に合わせるため臨時入場をしてまで急ピッチで塗装変更が行なわれ、わずか1年半で248両全車 (当時) が塗り替えられ大幅にイメージが変わりました。塗装変更開始されてから増備された59-2・60-3改正対応の増備車は新製当初より新塗装で出場しています。

 これが後に常磐線近郊形電車の標準色となり、翌1986年に登場したステンレス車体の415系1500番台にも踏襲されましたが、2005年のE531系登場に伴ない2007年3月改正で415系鋼製車が、2016年3月改正で同1500番台が常磐線から引退しましたが一部はJR九州に売却されて現在でも常磐線の生き証人として活躍を続けています。


 模型はKATOの111系・211系・415系を種車として改造しました。111系改造車と211・415系改造車は改造種車の関係から部品構成が異なり、部品互換性はありません。改造は1991(平成3)年〜2014(平成26)年です。



 
§1.403系

 種車は2012年夏に発売されたKATOの111系で冷房改造車仕様です。今まではKATO製113系や415系100番台を種車に401・403系に改造していましたが111系を種車としたのは今回が初です。415系からの改造ではやたらと切り継ぎ箇所が多くて生みの苦しみをおもいっきり味わってましたが、改造種車を111系に変更したことにより 『
今までのあの苦労は一体何だったのか・・・? 』 と思ってしまうほど工数が極端に少なくなっています。 ナンバーは1991(平成3)年8月に私が水戸線で乗車したK556 (赤電時代のK40) で、いにしえの国鉄仕様です。実車は59-2改正直後に暫定で当時新製直後だった415系100番台MM'TT'を組み込んで8連固定になった時期がありましたが、同年(1984年)夏頃に再び4連に戻っています。

 塗装は車体全体に僅かに白3号を混ぜたクリーム10号を吹いただけで、青のラインはGMキットの東武用ステッカー (ステッカー自体は単品でも発売されている) から8000系新塗装用を使用しました。ラインの幅は先頭部はデカ目のため1mm弱、側面は2mmです。





 
モハ402-15

 このグループの中で最も改造規模が大きかった車両で、モハ110が種車で動力車です。床下のモータ用カバーは種車のままで、台車はTOMIX製TN密連に変更するためカプラーポケット部を改造しています。

 まず車体ですが、パンタ側の妻板はモハ456から移植し貫通扉を追加します。側面には行先方向幕 (準備工事仕様) を追加しますが、各種サボ受け (行先札・号車札・急行札) は種車のモハ110と同位置なのでそのままにします (モハ402-20を始めとするK561 (赤電時代のK45) にする場合は工数が増える)。
 はしご掛けの表現は省略しています。

 屋根はモハ414用を使用すれば比較的簡単なのですが低屋根部端部にベンチレータがある関係で使えず、複雑な改造を覚悟の上でモハ456用を使用しています。切継ぎは行ないません。

 まず下半分の車体固定用のツメの部分を除いたモールドを全て切り落とし、屋根の上半分カーブと固定用ツメだけにします。屋根と一体成型となっている冷房装置 (AU72) は一旦すべて撤去しランボードは後に設置するAU75用と長さが異なるためこちらも削ってしまいます。撤去跡を埋めて非冷房車を作る感じで更地にしてからAU75B (101系パーツから流用) とAU75用ランボードおよびグロベン2個を設置します。
  また、低屋根部の肩にはファンデリア用のグリル (3連+3連) を追加します。

 屋根に車体固定用のツメを追加し、車体側にも屋根のツメに対応するよう同位置ツメ固定用の孔を設けます。ここまで改造すると、車体に屋根を嵌め込んだ状態での調整箇所がかなり多くなります。





 
モハ403-15

 種車はモハ111です。改造は冷房化およびランボードの取付と行先幕 (準備工事) の追加だけで、モハ402よりはかなり工数が少なくて済みます。
 床板はMGが表現されていますがとりあえずそのままにしています。カプラーはマウントタイプのTN密連を固定用突起を生かした状態でゴム系接着剤で仮止め+位置決めを行ない、最終的に瞬着で接着して使用しています。





 
クハ401-79

 奇数向き (上野駅基準でいわき側) の先頭車です。

 モハ403と同様の冷房改造と行先幕の追加および床板の加工の他、屋根には検電アンテナ・常磐線用無線アンテナ2基および無線アンテナ用の配線を追加します。アンテナ配線は415系用のものを加工して取り付けています。
 先頭部には幌を取り付けています。

 前面のスカートはグレーに変更しますが、これがかなりの曲者で使用できるパーツ (製品) がなく種車の黒スカートを塗り替えて使用することも考えましたが、どう考えても後でぶつけたりして塗装が剥がれるのが見え見えです。そこで457系用のスカートを流用しますが、他編成と連結可能とする関係で先頭台車部分のみ床板のボルスター部を改造し113・115系用の増結用TR201台車をビス止めで取り付けています。カプラーは他車に合わせてTN密連に変更しています。





 
クハ401-80

 偶数向き側の先頭車で改造工程は↑のクハ401-79と同じですが、偶数向きクハなので (実車では冷房制御盤が設置された) 乗務員扉隣りにある小窓は運転席側のみ埋めます。
 床下はやはり先頭台車部分の改造・TN密連化の他、モハ112より切り出したMGおよびGMより修理・改造用として単品で発売されている床下機器よりC-1000タイプCPを取付けます。

 車体はクハ全車共通で乗務員室扉脇に表現されている足掛けは全て削ります。
 113・115系などでは運転席側乗務員室扉のすぐ脇に足掛けがありますが、交流区間を走る車両は同区間の高電圧による感電防止のためむやみに屋根に上がれないよう足場の類は設置されていないので乗務員室扉脇の足掛けはありません。
 



 §2.415系0番台(後期車)

 1971(昭和46)年に登場したグループで第1陣の初期車12両はR窓、1974年以降の後期車はユニット窓に変更され、113系後期型や115系300番台並みの車体に変更されています。


 模型は415系100番台を種車にしており、車体の切継ぎは401・403・415系赤電の部のページで紹介している工法と同じですが、ユニット窓の表現が追加になります。ユニット窓の窓枠表現は全車共通で窓枠の寸法が約0.5mm程度になるようにマスキングし、塗装(筆塗り)で表現しています。先にユニット窓の表現を行なってから本塗装を行ないます。
 415系0番台に限った話ではないのですが、窓割は415系100番台を種車にする関係で中央の客扉とその戸袋部を除き、全て位置または形状が変わります。

 非常に複雑な切継ぎを伴なった大規模な改造車ですが、改造後既に20年以上が経過しており老朽化が進んでいるため近々更新予定です。私がつくば科学万博見物のため乗車した1985年8月時点がプロトタイプで国鉄仕様です。





 
モハ414-5

 モハ414-100が種車です。客扉のピッチが0番台と異なるので中央の客扉を基準として両端の客扉をそれぞれ0.5mm中央に移設し、小窓を設置してからGM113系キット(後期形)よりユニット窓部分のみ切り出して接合し、行先幕は準備工事の状態を表現しています。
 屋根は製品のまま、床下は一旦全てのモールドを撤去して更地にしてからモハ456より主変圧器・主整流器をはじめとする各種機器類を切り出して実車画像を参考にそれらしく並べます。


 415系は鋼製車全車共通でサボ受け配置は403系K561(赤電時代のK45)以降に見られる特有の配置となっており中央の客扉は行先札・急行札受けを、両端の客扉は号車札のみ設置します。したがって急行札受けの数は113・115系よりも1両あたり2個少なくなっています。





 
モハ415-5

 基本的な内容はモハ414-5と同じです。
 床下はモハ115-1000からの流用ですが、ブレーキユニットを撤去するだけでも0番台らしく見えてきます。





 
クハ411-309

 奇数向きのクハです。

 基本的な改造はモハと同じです。床下はCPを1台追加します。





 
クハ411-310

 偶数向きのクハで、こちらは床下にMG・CPを追加します。床下ですが、座席が組み込めるようにクハ用とモハ112(モハ114)の用を単純に切り継げは簡単なのですが、これをやると床下機器の向きが反対になりますので手間はかかりますがクハ用の床下を用い、床下機器を一旦全て撤去して更地にしてからモハから切り出したMG・CPを中心に床下機器を並べています。

 屋根は0番台4両共通で特に改造は行なっていません。車体はサボ受けの位置はモハと同様ですが、この他にMG用のルーバーを中央の客扉付近 (両側面共) に取り付けます。




 
§3.415系500番台 (ロングシート車)

 老朽化していた401系(主に低運転台車)取替用として1982(昭和57)年1月に登場したのが415系500番台で、近郊形電車としては初のオールロングシート車です。

 当時の常磐線土浦以南の通勤事情を反映してロングシート化されたもので、試行的要素が多く当時は平行して増備されていた113系2000番台・115系1000番台などには波及しませんでした。外観は415系100番台に準じているものの201系に続いて屋根が塗屋根となり、腐食対策で車体は鋼製でありながら裾部から400mmのみ側外板が耐候性鋼(SPA材)+ステンレスの突合せ溶接に、側出入口の外板端部がスポット溶接から全周溶接に変更されるなど徹底した車体防錆対策が図られています。57-11改正までに増備された48両が赤13号塗装で登場し、59-2改正対応車以降の増備車が新塗装で登場しています。

 模型は415系100番台の改造でまとめています。415系100番台に準じた外観ですので車体の切り継ぎはなく、改造工程はおおむね屋根・座席・床板に集中しています。
 415系500番台全車共通で屋根は塗屋根に、通風器はTOMIXのFRP製押込形に、ランボードは185・201系と同様の段差のない形状に変更します。 ランボード部の加工はプラパテを盛ってから余分なパテをカッターナイフで削ぎ落として整形する方法によっています。詳細は185系のページ (同一ウィンドウで開きます) をご覧下さい。





 
モハ414-509

 モハ414-100の改造車です。メインはやはり座席で、211系用のロングシートを流用してまとめます。
 製品のモハ414 (非動力車) の床板はモハ112の流用なのでディテールがおもいっきり異なります。サハ211の床板を使用し床下機器類のモールドを全て撤去し、モハ484から主変圧器・主整流器をはじめとする交流機器を中心に流用し、実車画像を参考に機器類を並べます。動力車の場合は↓のモハ414-705の項で述べることにします。





 
モハ415-509

 モハ415-100の改造車です。ロングシート化する他は屋根の改造だけで済みます。





 
クハ411-509

 奇数向きのクハ(常磐線基準で仙台側)で、クハ411-100の改造車です。前述のモハ車とは異なり座席の切り継ぎが必要になります。211系のロングシートとクハ411の先頭部分を接合します。





 
クハ411-609

 偶数向きのクハで、座席の切り継ぎの他、↑のクハ411-310と同じ要領で床下にMG・CPを追加します。

 以上の4両はJR仕様となっており、座席は自家調合したすおう色1色で塗装しており、両クハの側面にJRマークを転写します。





 
モハ414-511モハ415-511クハ411-511611

 改造内容は↑のモハ414-509他の500番台と同じですが、57-11改正対応以降の増備車なので冷房装置はAU75Gに変更しています。

 以上の4両は国鉄仕様でまとめており、行先幕は準備工事仕様に、座席の配色は新製当時の201・205系と同じ茶色とヘーゼルナッツの組み合わせとなっています。
 参考までに茶色はグンゼ水性ホビーカラーのNo.47レッドブラウンを、ヘーゼルナッツは自家調合で作った水性塗料を使用しています。



 
§4.415系700番台

 60-3改正では常磐線中電は当時の東北線・高崎線と同様最大15両化されることになり、一部の4連を7連に改めるための単純に編成を長くさせるためのグループです。車種はM・M'・Tの3形式だけで全車が新塗装で登場しています。
 500番台登場後に出てきたセミクロス車ですが、座席は両端部がロングシート化された115系1000番台と同じ配置となっています。

 模型はこれも415系100番台ベースで改造製作しています。行先幕は国鉄仕様にする場合は準備工事段階に、JR仕様なら幕をそのまま生かしHゴム部分を黒に変更して行先シールを貼ります(常磐線での行先幕使用開始は1991年3月改正より)。
 以下の3両は↑のモハ414-5他の0番台4両と組んで60-3改正時点での勝田K813の7連を組むための車両で、バリバリの国鉄仕様です。





 
モハ414-705

 7両編成に組み込んでいる車両で動力車です。

 車体は500番台と同じで塗屋根化・ランボード形状変更・AU75Gへの変更を行なっています。
 動力装置のモーターカバーは製品ではモハ112用が付いているのでモハ456用に交換しますが、モハ456用をそのまま取付けると台車と思いっきり干渉するので外からは見えない範囲で台車と干渉する部分を削り、水タンクのモールドは撤去します。





 
モハ415-705

 車体・屋根は500番台と同じで通風器の変更・塗屋根化・ランボード形状変更を行ないます。座席は両端部のセミクロスを撤去し、ロングシートに変更します。





 
サハ411-705

  この車両のみAssyパーツだけで組み立てた車両で、モハ415車体一式とモハ112の床下一式を単純に組み上げます。台車はTR201を使用します。
 改造は↑のモハ415-705と同じで、屋根はAU75G化・塗屋根化・通風器およびランボード形状変更を、座席は両端部のロングシート化を行ないます。




 
§5.415系1500番台 (ステンレス車)

 61-3改正対応の増備車で、つくば科学万博終了後も残った401系の置換えおよび九州の421系置換え用として登場したグループです。このグループ最大の特徴は415系でありながら車体と台車は同じ61-3改正対応で登場した211系に合わせてステンレス車体・ボルスタレス台車DT50系に変更された事です。61-3改正では常磐線に4両編成×8とサハ1両の合計33両が投入されたのみで常磐線上野口ではほとんどの場合鋼製車との混結となります。
 民営化になってからも増備が続き、205・211系と並んで国鉄〜JRにまたがって増備された数少ない形式です。特に1989年以降の増備車はモハ414の主変圧器は50Hz専用のTM24に変更され、実質403系です。
 また、民営化後の増備車は若干の設計変更が行なわれ、国鉄車とJR車では外観に違いが見られます。

 模型はTOMIXより常磐線仕様と九州仕様が発売されています。これを購入すれば何もする必要がなく非常にお手軽ですが、客扉枠のステンレスの質感の違いが表現されていないという理由で (KATO製211系はホットスタンプ (箔押) で表現している) KATO製211系を種車に改造する方法を採りました。国鉄時代をプロトタイプにしているので全車共通で行先幕部分の青帯がなく、行先幕使用開始前だったので行先サボ受けが付きます。

 座席は全てロングシートなので211系ロングシート車のものを使用します。





 
モハ414-1503

この車両はAssyによる部品調達で組み立てておりサハ211の車体と床下を使用します。

 まず屋根ですが、サハ211とモハ414の低屋根部を切り継ぎます。次に車体は低屋根側(1エンド側)となる妻面の垂木部分を現物あわせで削って低屋根の寸法に合わせます。
 ここで問題となるのが低屋根部における車体と屋根の干渉です。そのままでは組む事すらできません。車体側の天井にあたる部分は中央が膨らんだ形状をしているのでここだけ撤去して平らにします。

 低屋根部の詳細は↓で詳しく述べる事にします。

 次に出てくる問題が低屋根部の窓割です。意外と気付いていない方が多いようなのですが、低屋根部の窓割は妻面内部に母線ケーブルが通っているため他車に比べて妻面の厚みが大きく、その分だけ窓の位置が中央に寄り客扉からの間隔が狭くなっています。
 415系1500番台は完成品がTOMIXより発売されていますが、製品は窓ガラス等の部品共通化の理由なのかこの違いを再現しておらず他車と同じ窓割となっています。私も製作時に再現するかどうか悩んだのですが、キレイにまとめる目処が立たずやむを得ず窓割は変更せずそのままにしています。

 床下はサハのモールドを撤去し、モハ484から捻出した主変圧器・主整流器をはじめとする交流関連機器を配置します。

 台車はDT50 (アーノルトカプラー対応) を装着しますが、カプラーは他車に合わせTOMIXのTN密連を、MM'ユニット間は実車の211系の棒連結器に倣って (実車の415系1500番台は密連ですが) 1991年の改造落成時より試験的にドローバーを採用しています。あまりにも連結作業がしにくいのでTN密連に統一予定です。
 ↑ モハ414-1500のパンタ側妻面は母線が通っている関係で妻面の厚みが大きく端部ロングシート部分の2つの窓が若干中心寄りに移動している
 隣りのモハ415の窓の位置と比較すると一目瞭然である

  2007. 1.27 宇都宮(東北)線  小山駅





 
モハ415-1503

 この車両もAssyによる部品調達で改造・製作しており、モハ210の車体とモハ115の床下および211系3000番台用の座席・DT50台車を使用して組み上げています。

 前述の通りモハ414との連結は試験的にドローバーカプラーを使用しています。切り離すと片持ち式になるので切り離す際カプラーがM・M'どちら側にくっついてくるかはその時次第ですが・・・





 
クハ411-1503

 奇数向きのクハで、クハ211の改造車です。

 最大の改造点はトイレの撤去で、当初はトイレのないクモハ211の車体を使おうかと考えていたのですが妻面に母線の配管があるのと、クハにはないはずの側面グリルが出来るという理由で流用出来ず、クハ211を選択しました。

 改造にあたってはトイレなしの車体をいかにきれいに作るかということに重点を置き、トイレ窓部分の窓周辺を丁寧に切り抜き他の車体から窓部分のみ切り出して接合する方法を採りました。切り抜きに際して車体にモールドされているステンレスの継ぎ目のラインがうまい感じでガイドになってくれますが、ステンレス車は鋼製車とは異なりパテによる修正を行ないませんのでかなり難しい切継ぎとなります。

 屋根は常磐線無線アンテナ用の配管と検電アンテナを追加します。床下は製品のままです。




 
クハ411-1603

 偶数向きのクハで、こちらはクハ210の改造車です。
 ↑のクハ411-1503とは異なり車体の切継ぎはなく、改造は床下に集中しています。床下のモールドは全て撤去しMG・CPを中心に実車画像を参考に並べます。MGはモハ204から調達しています。

 車体は帯色の変更以外は製品のままで、MGグリルは取り敢えず省略しています。1500番台全車共通で行先幕は白で塗り潰しているだけですが、いずれはくり抜いてガラスを入れる方向で考えています。現在はGMの近郊形電車用ステッカーを貼っており、水戸線仕様になっています。

 前面のFRP先頭部の白は白3号、青帯は青20号を使用しています。415系1500番台は国鉄時代に増備された車両は車端部にある行先幕の脇には青帯がありませんが、JR化後に増備された車両は青帯が追加されています。




 ↑の真横画像の項で書ききれなかった事を以下に述べてみようと思います



 
1.モハ402の製作

 ↑の403系4連の中でずば抜けて工数が多いのがモハ402で、改造は屋根・車体の比較的広範囲におよびます。

 まずは屋根ですがモハ456用を使います。切継ぎは行ないません。
 改造は概ね以下の通りです。



 モハ402の妻面はモハ456から流用します。



 モハ456の低屋根部は貫通扉がないので、他車の改造で余ったジャンクパーツから切り出して接合します。



 
2.1500番台ステンレス車

 これも結構面倒です・・・

 モハ414-1500もモハ402の場合と同様、交直流M'車製作の宿命なのか工数が多いです。改造は低屋根部と床板にほぼ集中しています。

 まずは車体の改造ですが、そのままでは組立時に車体と低屋根部が干渉してまったく組み立てられません。
 車体側の概要を以下に示します。

 屋根の低屋根部が干渉するので黄色の両矢印の範囲を加工してツライチにする

 あまり厚い材料を使うと今度は客室内に出っ張ってしまい見苦しくなるので薄めの方が良い
 私は他車の改造で余った車体を有効利用している
 母線配管は適当な径の真鍮線を利用している

 貫通扉にはメタリックテープを貼ってステンレスの質感を表現する

 クハ411-1500はトイレの撤去が改造の中心となりますが、概要は以下の通りです。

 種車にクハ210またはクハ211を使用するので、そのままだと両クハともにトイレが出来てしまいます。実車では奇数向きクハ (上野駅基準でいわき側) にはトイレはありませんのでトイレ無し仕様に改造します。

 画像では判りにくいかもしれませんが、窓部分のみ別の車体から切り出した窓を切り継いでいます。

 加工の注意点としては、接合時に隙間なくピタリと嵌めさせるために他の車体から捻出する窓部分の構体を正確に切り出すこと、切り出す時に上下左右方向が極力曲がらないこと、切り口を丁寧に仕上げることの3点です。

 また、妻面側は外からは不自然に見えないように切り口を45°に削って接合します。

 実は改造後のエアブラシによる再塗装は行なっておらず、左図の赤線部分のみ銀色の色差しによる修正を行なっただけで切継ぎ部分自体は剥き出しです。再塗装に頼らず目立たないように仕上げるのはかなり困難で、奇数向きクハのトイレ無し仕様にする改造はハッキリいって難しいです。


 続いて屋根の切継ぎに移ります。


 屋根はモハ210とモハ414用を使用し、モハ210用の端から52.5mmの位置で切断・接合します。

 調整代を見込んで多少長めに切断し、接合の段階で長さを調整する方が絶対無難です。長い分には削っていけばいいのですが、所要よりも短くなってしまったら目も当ててられません。


 パンタは旧製品を使用しており、そのままでは直流用ですので多少贅沢な部品転用ですがPS16とPS101の部品を組み合わせて上手い具合にPS16Hに変身させています。
 現在では取付用孔の寸法・形状が異なりますがPS16Hが発売されていますのでこれを利用するならこの部品転用は不要です。ただし屋根側になんらかの加工が追加になりますが・・・


 屋上機器関係では計器用変圧器の横に孔を明けて碍子を追加します。製品ではただ単に箱のようになっているだけですのでこれだけでも随分変化が出ます。

 余力がある方はABB周辺の高圧ケーブルに銅色か黒で塗っておくとメリハリ出ますが、なにせこの部品は塗料の乗りにくい材質で出来ていますので、少しでもぶつけたりすると間違いなく塗装が剥がれます。塗装前に予めプライマーで下地処理してありますが、あまり意味がないです・・・



 3.その他

 クハ401・411の屋根には常磐線無線アンテナを取り付けますが、車両によって若干の相違点があります。

 クハの屋根には常磐線特有の無線アンテナおよび配管を取り付けます。アンテナ配管にある取付用の突起は全て撤去し透明なゴム系接着剤で固定しています。

 この常磐線無線アンテナも車両によって相違があり、401・403系は筒状のアンテナ本体が乗っていますが、415系は初期車を含め配管はあるものの、台座だけとなっています。




 415系1500番台は増備の途中で民営化を迎えたため、国鉄時代に増備された車両は在来の415系と同じく配管・台座が設置されていますが、JR化後に増備されたクハ411-1522〜、1622〜は配管・台座がありません。

 1500番台についても検電アンテナは取り付けますが、取り付け部分の屋根のコルゲートは削り取ります。








最後は例によって座席です。

画像上から1500番台、700番台(国鉄当時)、500番台(国鉄当時)、403系車両更新車です。


上から3番目の500番台用のみが座席のみほぼ自作、他は色入れのみです。








〜最後に組み立て〜

 車両の構造は既製品に準じて製作しているので、組み立てが複雑ということはないと思います。ただ、既に紹介した115系0番台と同様、切継ぎ箇所が非常に多いので車体製作の際強度確保のためにも接合部の接着だけは十分に行なった方がよいでしょう(接着剤が多ければよいというものではありませんが)。


 常磐線の近郊形は実車を調査すると非常に奥が深いもので、数両しか存在しないタイプも幾つかあり特定ナンバーを製作する際は実車の調査が必要です。


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