系(常磐線赤電:旧交直流色)


 常磐線の交直流近郊形は1960(昭和35)年、TM2B形主変圧器を搭載した交流側50Hz専用の401系(クハは低運形)が登場、1962年製以降の401系のクハは高運転台に移行し、1966(昭和41)年には翌1967年に控えた水戸線電化対応として主電動機をMT54に変更し出力アップを図った403系が登場しました。更に1971(昭和46)年にはTM14形主変圧器を搭載し50/60Hz共用形タイプとした415系が登場しています (後にPCB対策で415系初期グループに属するモハ414-1〜3のみ主変圧器をTM20形に取替)。
 415系は1974年製以降は主変圧器はTM20形に変更され、同時に115系300番台に準じた車体に冷房車というスタイルになり、1978(昭和53)年にはシートピッチ拡張型の415系100番台が、1982(昭和57)年には常磐線上野口の混雑緩和策としてオールロングシートに変更した415系500番台が登場しています。57-11改正対応で増備された415系500番台12両をもって415系赤電の増備は終了しました。

 塗装は当時交直流車の標準となりつつあった赤13号(いわゆるローズピンク)にクリーム4号の警戒帯といういでたちで、これが急行形電車とともに常磐線のイメージを作ったと言っても過言ではないと思います。
 1985(昭和60)年の茨城県筑波での科学万博開催に伴なう常磐線のイメージアップのため1983(昭和58)年8月より新塗装化が始まり、60-3改正までに全車が白地に青帯の新塗装に変更され常磐線赤電は見納めとなりました。


 模型では常磐線上野口で見られるタイプの中から4両編成6本を改造で作りました。1980(昭和55)〜1983(昭和58)年の頃の常磐線上野口の再現が出来る車種構成となっています。

 種車は全てKATO415系100番台・115系300番台および111系で、401・403系についてはGMの113(115)系初期形キットも使用しています。改造は1998(平成10)年〜2017(平成29)年です。



 第1部:401系低運形

 種車は415系100番台で、このページの後半で述べているように相当複雑な切継ぎ改造でまとめています。


 クハ401が低運転台の初期形と高運転台の後期形がありますが、こちらは初期形である旧K9編成をプロトタイプに選びました。
 実車は後天的改造でサボ受け(番号札・急行札)を追加しています。

 屋根はモハ400のみ車体と接着して一体化となっており、他の3両は既製品に合わせ分離出来る構造となっています。





 モハ400-9

 実車の登場当時は 『走る変電所』 と言われた401系のM'車です。

 車体は私の近郊形R窓車標準の改造方法です(下記に詳細を述べてあります)。
 屋根は改造工数短縮のため実車通りの浅めの低屋根とはせず通常の低屋根となっており、GMキット付属のものとモハ456の屋根を切継いでいます。
 低屋根部はモハ456(モハ402)とは機器類の配置が異なっており、直流避雷器と交流避雷器の位置が概ね逆になります。交流避雷器は根っこの丸い部分ごと根こそぎ取って元の直流避雷器周辺に移設し、直流避雷器を元の交流避雷器部分に設置します。
 また、直流避雷器からは配線を表現し、画像では見えにくいですがパンタ脇に碍子を2個追加します。このようにモハ402との差別化を行うため、低屋根部は徹底的にいじってみました。

 種車に使用した製品のモハ414の床下は113(115)系の流用なのでそのまま流用と言う訳にはいかず、MG等、殆どの機器を一旦全て撤去して更地に仕上げた後、モハ456からもぎ取った主変圧器・主整流器などの床下機器を並べます。

 かなり面倒くさいです・・・





 モハ401-9

 床下は種車の流用で、ブレーキユニットを撤去し撤去跡にそれらしい機器を追加しました。





 クハ401-17

 上野駅基準で勝田寄りのクハです。
 先頭部分はKATOクハ153低運を切継ぎました。ここで問題となるのがヘッド/テールライトの点灯化に伴なうレンズの処理方法で、クハ153用の遮光板を415系用床板(ヘッドライトケース付き)がはまるように削ります。
 硬質材料なので加工がしにくく、ムリに力を入れて削ろうとすると割れてしまいそうです。
 ヘッド/テールライトレンズはクハ153用でそのまま使えます。
 実車の台車はブレーキシュー両抱き式のTR64(ブレーキシリンダー付き)ですが、外観にほとんど差がないのでDT21を流用します。

 KATOのクハ153低運車の先頭部をそのまま流用したため、運転台上部のおでこの寸法が実車より若干狭くなっています。当初は実車通りに寸法を修正しようと考えていましたが、工数削減の理由でそのままとしました。

 先頭部の検電アンテナは形が独特で市販品が使えません。
 アンテナ台座は車体と一体で、車体改造時に台座を接着しています。2.5mmの角棒を使用し(高さは約3mm)、中心に孔を明けてKATO製クハ481ボンネット車用の検電アンテナを取り付けます。


 屋根の常磐線列車無線用ケーブルはクハ411用を加工しました。常磐線無線アンテナ2個は銀河製を接着します。
 奇数向きクハなので先頭部分に幌を接着しています。






 
クハ401-18

 上野駅基準で東京寄りのクハです。
 改造要領は↑の17と同様です。床板はクハ411-100の流用なのでブレーキユニットを撤去し、C-1000形CPを取付けます。

 実車は基本編成の奇数寄り(クハ401-18は5号車)に連結される事が多くあまり先頭には出ていなかったようなので、模型はヘッド/テールライトの取付は省略しています。

 また実車は17・18とも1978(昭和53)年にシールドビーム化改造が施工されており、模型製作の際これも再現しようかと思っていましたが、折角の低運転台が台無しになる(???)と考えてデカ目のままとしています。



 第2部:403系


 続いて403系です。こちらも↑の401系とほぼ同じで415系100番台の徹底切継ぎ改造でまとめました。


 旧・K38をプロトタイプに選んでおり、これも非冷房車です。401系と似たような改造となりますが、高運転台であるため工数は少なくなります。
 屋根は4両とも工数削減と見た目を良くする目的で車体と接着して一体化しています。




 モハ402-13

 モハ400と外観は似ています。モハ400のような激しい低屋根部の追加加工はありませんが、近年タヴァサから低屋根用ファンデリア(アルミ鋳造品)が発売されたので組み込んでみました。3連+3連の組み合わせです。
 屋根はモハ456の流用で切継ぎはしていません。床下の改造および床下機器の配置はモハ400と同じです。





 モハ403-13

 屋根以外の改造方法はモハ401と同じです。





 クハ401-75

 クハ411が種車ですが、ヘッドライトはデカ目なので私の改造用保有部品の中からクハ455のライトを削って移植しました。
 ヘッドライト一式は415系のままなので、クハ455(デカ目)のヘッドライトレンズを加工して取り付けています。
 この車両はクハ401の中でも47〜の後期形タイプなのでグロベンは5個とし、先頭の1個は箱型(TOMIX製)に変更します。検電アンテナは円錐形の台座ですので既製品がそのまま使えます。

 床下はブレーキユニットを撤去しCPを取り付けました。




 
クハ401-76

 ↑の75と同じで、幌の取付位置が異なる程度です。



第3部:401系高運形

 こちらは2012(平成24)年発売の111系を種車としてまとめています。

 改造種車が非冷房・R窓の初期の近郊形なので、↑の401系・403系と比較すると改造は驚いちゃうほど楽で、車体の複雑な切継ぎはありません。M'車のパンタ側の妻板をモハ456のものと切継ぐだけで済みます。
 車体の構造はモハ400を除き変更していません。





 
モハ400-18

 モハ110が種車で、パンタ側の妻板を撤去しモハ456用の妻板と切継ぎます。
 モハ400はパンタ周辺が交直流電車共通の低屋根となっていますが、クハの前面が低運から高運に移行するのに併せてモハ400の低屋根形状も変更され(碍子類の絶縁強化のため)、断面形状の違いにより2種類に分かれます。

 実車では低屋根の高さが3516mmとなっているモハ400-12〜のタイプはモハ456の流用で済みますが、同じく3596mmとなっているモハ400-1〜11(当該編成のクハは何れも低運車)は若干の加工が必要になりますが、私はモハ456用を流用したのでモハ402と同様の低屋根となっています。
 屋根はモハ456用を流用し、切継ぎは行なわず全長に亘って使用します。屋根と車体を固定するツメですが、ツメ以外の部分を全て除去し(片側3箇所ずつあるツメはそのまま生かす)、車体側も屋根のツメがパチンと嵌まるように孔明け+加工を行ない、屋根を嵌め込み式にします。丁寧に加工作業を行なえば驚くほど見栄えがよく車体に嵌める事が出来ます。
 屋根にモールドされている冷房およびベンチレータのモールドは全て撤去し、更地に仕上げてからグロベン4個を取り付けます。

 車体関係では行先サボ受の位置は111系のままで変えませんが、401系は時代により車体側面の番号札および急行札受けのある・なしを作り分ける必要があり、私は70年代後半〜80年代前半が標準のため番号札・急行札は付けた状態で落成させています。サボ受けの位置は111・115系と同一です(403系最終形および415系は行先サボ受けおよび番号札・急行札の位置・数が401系と違う事に注意)。




 
モハ401-18

 401系のM車で、モハ111が種車です。
 車体・屋根・床板の切継ぎはなく、2エンド側(常磐線基準で東京寄り)の幌を撤去し適当な車体から切り出した幌枠を取り付けます。他はモハ400と同じです。
 一番手間のかからない形式です。





 
クハ401-35

 クハ111が種車で、車体の切継ぎはありません。検電アンテナ台座は↑のクハ401低運と同じで車体と一体形のタイプです。

 奇数向きクハなのでクハ111-0を種車としています。妻面の幌を撤去し幌枠を取り付け、床下にはC-1000形CPを追加します。
 屋根も他のクハ401と共通でクハ411用ケーブルと銀河製常磐線無線アンテナ2個の組み合わせですが、クハ401高運車の中でも23〜46の初期形に属するタイプなのでアンテナ関係以外は特に改造は行なわず6個の通風器は全てグロベンです。
 クハ401低運車に引続いて台車はTR64です。改造種車であるクハ111は当然ながらTR62を履いていますがモハ用のDT21に交換します。





 
クハ401-36

 こちらは偶数向きクハなのでクハ111-300を種車として纏めています。車体・床下の改造はありません。



 第4部:415系0番台後期車

 415系は1971(昭和46)年に登場し、前述の通り第1陣として登場した12両(4両編成×3)は主変圧器は50/60Hz共用としたTM14形に変更されましたが、外観上は側窓はR窓・非冷房車としており403系最終形(モハ403・402-20、クハ401-89・90)とほぼ同じスタイルで登場し、403系の延長線上のような存在です。
 ですが、1972(昭和47)年に113系1000番台後期形が登場して115系を含めその後の近郊形電車はユニット窓・冷房車仕様に移行しており、1974年に増備された415系にも同様の設計変更が行なわれました。

 模型は2017(平成29)年に製品化されたKATOの115系300番台を種車にしている、ということになっていますが(笑)、実はこの4両は新規改造ではなく2007年増備の415系100番台の車体更新改造で、床板一式は種車のままです。当初は2017年11月に改造着手し2018年1月完成予定でしたが、弊サイトと相互リンクしているサイト様主催の運転会に急遽参加する事となり 『国鉄時代の上野口の車両を!』 という要望があり、2017年12月上旬の運転会に間に合わせるべくせっせと作って完成させました。





 
モハ414-10

 車体の構造は↑のモハ400-18と同様で、パンタ側の妻板をモハ456用のものと切継いでいます。
 屋根はモハ456用を全長に亘って流用し、切り継ぎは行いません。冷房・ベンチレータのモールドは全て撤去してAU75形冷房とランボードを取り付け、ベンチレータは押込形のものを3個配置します。

 車体側面ですが、行先サボ受けの位置および番号札・急行札受けの位置・個数が403系最終形および415系特有のものとなっているので元のモールドは全て削り取り、タヴァサのエッチングパーツ(PX-411B)を取付けます(以下の3両も同じです)。
 また415系0番台後期車全車共通の項目として、ドアにモールドされている115系特有の(?)半自動扉の取っ手は全て削り取ります。

 床板は種車時代に既にモハ414に合わせて改造してあったので、今回の改造では特に弄っていません。





 
モハ415-10

 こちらも↑のモハ401-18およびモハ414-10と同様で、切継ぎはありません。





 
クハ411-319

 こちらの2両は宇都宮(東北)線115系300番台の大量増備により大量に余剰となっていたサハ115-300番台の改造で(ウチの上野口115系のサハは全て0・1000番台で占められており300番台のサハは存在しないため)、種車のクハ411-100の側面を撤去しサハ115から捻出した側面を切継いでいます。そのため車体の構造は種車のクハ411-100番台に準じており床下・座席およびヘッド/テールライトユニット・同レンズ全てが種車から流用可能です。

 屋根は他の車両と外観を揃えるため元のベンチレータは全て撤去しサハ115-300から捻出したものに変更しており、常磐線無線アンテナケーブルおよび検電アンテナを追加します。





 
クハ411-320

 こちらは東京側を向いている偶数寄りクハで、床下にモハ112-2000(またはモハ114-1000)から切り出した160kVAMGとC-1000形CPを取付けます。
 車体側面にはMG用のグリルを追加します。



 第5部:415系500番台

 老朽化が進んでいた常磐線の401系初期車を置き換えるために1982(昭和57)年1月に登場した国鉄近郊形初のオールロングシート車で、輸送力増強仕様となっています。第一陣として36両が登場し、57-11改正における同線上野口に残っていた旧型客車普通列車の電車化用として増備された12両は冷房がステンレスキセのAU75Fに変更されています。
 車体の切継ぎはなく車体構造の変更は特にしていません。既に弊サイトでUPしている415系白電と工程は同じで屋根と座席の改造がメインとなります。国鉄仕様のため全車共通で側面の行先幕は車体色で塗り潰して準備工事の状態を表現しています。





 モハ414-502

 例によって一番生みの苦しみを味わうM'車で、屋根と床板の改造がメインとなります。

 屋根はTOMIX製のFRP製ベンチレータに交換し、ランボードの側面はプラパテで埋めてしまい201系仕様に形状を変更します。
 また実車に合わせて塗り屋根仕様となっています。
 
 床板はサハ115用の流用で、床下機器を全て撤去し更地に仕上げてからモハ484から切り取った主変圧器・主整流器・断路器等の床下機器を並べます。





 モハ415-502

 屋根と座席の加工のみです。





 クハ411-602

 車体と屋根の加工は↑と同じです。
 メインは床下で、モハ114よりMGと周辺機器をそぎ取って接着し、サハシ153から捻出したC-1000形CPを取り付けます。CPはGMから修理・改造用として床下機器のパーツが分売されており、こちらも流用が可能です。





 クハ411-502

 床下にCPを追加します。



 以上、415系100番台を種車としている車両全車に共通する改造として、Hゴムをグレーに変更というのがあります。
 種車の窓ガラスのHゴム部分を目の細かいサンドペーパーで削って元の銀スタンプを剥がし、GMカラーのNo.14(灰色9号)を塗ります。
 同じくGMカラーNo.9(ねずみ色1号)も使用出来ますが、ちょっと暗めの感じになります。
 また、客用ドアの脇にある小窓用窓ガラスは113・115系またはキハ47から捻出していますが、現在ならKATOの101系から流用する方が簡単ではないかと思います。




 ここから改造について解説します。


 今回はR窓タイプがメインですが、今まで115系0番台の項でも改造車の紹介はしていますが具体的な改造方法については述べていなかったのでここで画像入りで紹介を試みようと思います。
 このR窓車への改造は113・115・401・403系共通の工法です。種車はKATO製ですが、他にGM113・115系キットが必要です。
 GMのキットを素組みすれば簡単ですがKATO・TOMIX製品と混結させるとディテールの違いがハッキリ出るので、私は既製品と連結しても違和感のないよう製作はエラい大変な作業となりますが下記のような改造を行っています。
 切継ぎ改造中の画像は全て403系K38製作時に平行して撮影したもので、接合している湘南色の車体は113系・115系の車体更新で用途廃止となったものを再利用しています。



 最初にドアの移設を行います。
 R窓車や初期のユニットサッシ車(115系では0・300番台)とシートピッチ拡張車(115系では1000・2000番台)ではドアの位置が異なります。
 そこで、センターのドアを基準にして両端のドアを中心寄りに0.5mmずつ移動するように切継ぎます。R窓車では運転士側の乗務員扉も移動します。
 乗務員扉は種車の流用ですが、改造を少しでも楽に出来るように移設する客用扉は他の車体から切り出して接着しています。



 次にGMキットから窓部分を切り出して上下・左右の位置に注意しながら画像のように切継いでいきます。
 接着は瞬間接着剤を使用し、少し多めに接合位置に流します。乾燥後余分な接着剤はパテの代用に出来ますのではみ出た部分のみ削り取ります。
 画像ではヘッドライトのデカ目化も実施しています。




 車体の加工が終わったら屋根の接着に入りますが、天井部分は画像のようにくりぬいてGMキットの屋根を接着します。
 下の画像が接着が完了した画像です。ゴム系接着剤を少し塗っておおまかの位置決めをしてから瞬着を流して固定しベンチレータ類を取り付けます。
 上はモハ402のもので、モハ456から持ってきた低屋根部の妻板を接着しています。



 切継ぎが完了しパテ修正が終わった画像です。
 どのように切継いでいるかおわかりでしょうか。想像を絶するほど複雑な改造です。

 両端の客用扉脇にある戸袋窓(小)も一部は戸袋窓(大)を切継いで短縮しています。
 ここまで切継ぐと強度はどうなの?という問題が出そうですが、画像の通り雨樋から裾まで一直線に切継いでいる箇所はありません。
 たとえ1mmでも横方向にずらしています。この方法により一直線に切継ぐ場合と比較するとかなりの強度が確保されます。

 加工は面倒になりますが…



 4両分の改造が終わりました。4両とも屋根の切継ぎはしていません。
 車体の改造が終わったら金属部分(ここではサボ受け・グロベンなど)にエッチングプライマーを塗り、乾燥後塗装に入ります。





 塗装は最初に下地処理も兼ねて全体をグレーに塗装して切継ぎ部分の仕上げ具合を確認します。
 ここで仕上げが足りない所はパテ修正しておきます。
 画像は赤13号を吹いて一部に細部塗装および修正を施した所です。この後はクハの警戒帯(クリーム4号)→屋根のグレーの順で塗装して車体の改造はほぼ終了します。








 ここから細かいディテール等について解説します。

 まずはクハ401低運の先頭部です。
 検電アンテナの台座は2mmくらい(大きさは任意)の角棒を直接車体に固定し、取付用の穴をあけて塗装後にアンテナを差し込みます。
 常磐線無線アンテナ用のケーブルはクハ411のもの使用し、屋根に取付用穴をあけケーブルを加工して取付けます。

 ベンチレータはグロベン6個ですが、クハ401-47〜は先頭部の1個だけ角形に変更されています。
 グロベンは銀河の新型車用を使用しました。旧型車用も使えそうな感じがしますが、形状が異なります。
























 クハ401低運車のヘッドライト遮光板の様子です。

 ここまで削らないと床板が組み込めません。カッターナイフでだましだまし切り込んで削りました。

 上部のみ若干削らないで残してありますが、これは少しでも光漏れを防ぐ為です。

















 次に、モハ400とモハ402の低屋根部分です。


 画像の通り、一部高圧機器の配置が異なっています。
 モハ402はモハ456のままでいいのですが、モハ400は機器配置を変えたついでに配管も追加しました。モハ400はランボードが一直線になるように改造し、一部機器を移設します。
 計器用変圧器ですが、ただ単に箱のようになっているだけですのでパンタ側の面に碍子を追加します。
 

 実車のモハ400の低屋根は完全にまっ平ではなく屋根のRに合わせて若干丸みを帯びていますが、今回の改造ではモハ456用を流用したため完全に平べったくなりました。
 低屋根のRまで完璧にしたい方はモハ484用を使うとそれらしくなると思います。

 なお、モハ402の屋根はモハ456用をそっくり流用し、ベンチレータおよび冷房装置を撤去して平滑に仕上げてからグロベンを配置しています。


 参考までに、モハ400の方は初期の改造で低屋根部にあるグリルは再現していません。

















 今度はM'車の妻板です。

 左はモハ400、右はモハ402で、モハ402はモハ456の流用で済みますが、モハ400の方は独特の這わせ方で流用できるパーツがありません。

 そこで真鍮線を使用して画像のように試作的な意味も含めてパイピングしてみました。
 配管まで加工するのは私としては珍しい(?)です。













 最後にM'車の床下です。

 元のモハ112(114)のモールドをほとんど撤去し、平滑に仕上げてから各種機器を実車の画像を参考にそれらしく並べました。
 モールドを撤去すると床板のあちこちが穴ぼこだらけになります。
 そこで、交流機器を配置する部分を床板ごと切取ってしまい、改めてプラ板を利用して接合しました。
 主変圧器・主整流器は形式によって形状が異なりますのでモハ400・402はモハ456から、モハ414-500はモハ484から機器を流用するといいと思います。





〜最後に〜

 常磐線赤電の製作は見た目以上に大変です。製品を流用出来ない部分が多数あり、今回は一部自作によっています。
 実車は一部は既に廃車となってしまい、調査できない部分があり大半は雑誌を参考にしました。
 今回の車両群は前述の通り57-11改正前後がプロトタイプで非冷房車の比率が高いです。401系・403系が主体になりますので細部塗装は401系と403系で差をつけてみるのも楽しいでしょう。


<参考文献>

鉄道ファン1982年4月号(415系500番台新車ガイド・形式図・床下配置図)



<鉄道模型車両基地>のページに戻る