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交直流急行形電車(国鉄急行色)


 交直流急行形電車は東北線急行『みやぎの』 (東北線経由、43-10改正で『まつしま』に統合) 用として1962(昭和37)年に451系30両が登場したのが嚆矢です。その後東北線急行増発用・常磐線準急用 (当時) として451系の追加増備が行なわれ、以降は東北・常磐急行の増発が繰り返され1963(昭和38)から出力増強仕様の453系移行し、1965(昭和40)年には東北線盛岡電化用として455系が登場し、さらに1969(昭和44)年に登場する交流側50/60Hz共用とした457系に発展していきました。

 451系は101系に準じて出力100kwのMT46主電動機を搭載していましたが、出力増強形として主電動機を120kwのMT54に変更したのが453系です。さらに453系に抑速ブレーキを追加したのが455系であり、165系の交直流版といえます。また457系はそれまでTM2・TM9主変圧器を搭載した交流側50Hz専用の451・453・455系とTM3・TM10を搭載した同60Hz専用の471・473・475系を統合しTM14を搭載して50/60Hz共用とした形式で、新製時より冷房車として登場しています (後に主変圧器はTM20に更新されている)。
 よん・さん・とう(昭和43年10月1日の全国ダイヤ白紙改正)以降は東北線経由の『まつしま』・『ばんだい』・『いわて』・『くりこま』等の都市間輸送長距離列車を中心に、『あづま』・『なすの』等の近・中距離急行にも充当されたほか、運用間合いを利用して上野口・仙台口の普電運用にも入りました。1985(昭和60)年3月14日の東北・上越新幹線上野開業に伴なう60-3改正では455系急行列車が全廃され急行形電車としての使命を終えています。


 60-3改正以降は東北線仙台地区の普通列車全面電車化用としてサロを除く全車が普通列車用となり、翌1986年からセミクロス化が進められました。1985年秋からは現在の東北色に色替が行われ、1988(昭和63)年7月に全車が東北色に統一され455・457系から交直流急行色が消滅しています。一方451・453系は交直流色のまま残り、1992(平成4)年まで活躍しました。
 1991(平成3)年、455系に訓練車が誕生し一旦消滅した455系交直流色が白帯が入りながらも復活しました。この訓練車も2007年に廃車となりましたが、このうちの1両、クモハ455-1が東北色のクハ455-2、モハ454-4と共に大宮の鉄道博物館で保存展示されています。



 模型は50-3改正〜60-3改正までの上野口急行列車を再現できる仕様としました。同じ交直流急行形として常磐線用の453系もこのページにて紹介します。種車は全てKATOの457系で改造は1985(昭和60)年〜2017(平成29)年です。

 全車両共通の工事として、側面のHゴムは実車に合わせて白H(灰色9号)に変更しました。元の銀を紙ヤスリで軽く落とし、灰色9号を塗ります。紙ヤスリで削る時に窓ガラスに傷が入りやすいので注意が必要ですが、現行の製品は最初から白H仕様となっていますのでこの作業は不要です。
 記事の内容は455系東北色のページと一部重複している部分がありますが、ご了承願います。


 仙台の455系は東北線盛岡電化に合わせ1965(昭和40)年に登場し、サロ・サハシ入り基本8連+付属4連の12両編成で運転が始まった  1967(昭和42)年の磐越西線電化で『ばんだい』も電車化され付属6連+サハシ入り基本7連の13両編成に改められたが、1977年にサハシが抜かれ6+6連の12両になり59-2改正まで続いた
 59-2改正では初めて455系の編成減車が行なわれ9連に短縮され、余剰となった455系は東北線黒磯以北に残る客車普通列車の一部電車化に充当された  

 画像は59-2改正で登場したサロなしの6連で、仙台の455系でモノクラス6連が登場したのは実は59-2改正からであった  画像の6連は同改正で電車化された普通列車である

 60-3改正では455系急行は全廃となり全車が普通列車用途に変更された  サロは全て抜かれ代わりに改造クハが連結されるようになり上野口から姿を消した

 因みに455系の高崎・上越線運用は実現しなかったが、453系で臨時ながら常磐線から水戸線・両毛線経由直通列車が設定されている  1972〜73年冬臨で『ひたち上越銀嶺』・『常磐上越銀嶺』が石打まで、1973年には『常磐草津』が万座・鹿沢口まで設定されたが、残念ながら後が続かなかった

  1984. 3.24  黒磯駅



第1部:453系

 常磐線急行『ときわ』・『もりおか』を中心とする勝田の急行形電車です。
 なるべく455系との差別化を図るため一部床下機器の変更、細かい部品の追加・交換がメインとなります。




 クモハ453-2


 実車に合わせてシールドビーム化改造を施工しています。種車の運転台部分を切除し、KATOのクハ411前面部分を切継いでいます。
 また画像では判りにくいですが、主抵抗器〜台車間にCP(C-1000タイプ)を追加しています。1位側の台車脇にある四角い箱状の機器がそうです。サハシ153から移植して取付けました。
 屋根には常磐線無線アンテナ2個を取付けます。検電アンテナは415系用のものを装着し、信号煙管は移設します。
 また、クモハ451にする場合は実車の主電動機の容量が小さいのでGMの主抵抗器(103系用?)に換装し、周辺の機器類を移設するとそれらしくなります

 模型は1987(昭和62)年の購入です。細かいパーツの取付や小改造をちょこまかちょこまか行なっていますが、更新工事は行なっていません。






 モハ452-2

 画像のようにナンバーの両脇にタヴァサのPT-1403ルーバー(主整流器用、品番:PT-1403)を追加します。しました。ルーバー取付は画像の側のみで、反対側は製品のままです。主整流器がRS5またはRS5A装備のモハ450全車とモハ452-1〜20が該当します。

 製品にはCP(C-2000タイプ)がモールドされていますが、クモハにCPを装着したため撤去し空いた場所にそれらしい機器を接着しました。

 屋根にある計器用変圧器(冷房装置の隣に見える銀色の箱状のもの)ですが、ただ箱になっているだけですので実車同様に碍子(KATOの交直流車用)を追加しました。計器用変圧器からパンタにかけての配線は省略しています。低屋根部にあるファンデリアはモハ450・452とも3連です。





 クハ451-19


 種車はクハ455で、検電アンテナを475系用(円錐形)のものに交換します。また↑のクモハと同様、信号煙管(銀河製)を所定の位置に接着し赤13号で塗装します。

 常磐線用無線アンテナを所定の位置に取り付けますが、小さい部品なので屋根全体の再塗装は行なわずアンテナ部のみプライマーを筆塗りし、更にねずみ色を筆塗りするだけでもいいかなと思います。






 サロ451-119

 サロ455の改造車で、サロ451-100番台にするためにGMから分売されている床板パーツの中からC-1000形(網状のカバーがあるタイプ)を取付けます。
 製品は青帯付きでしたが、青帯を撤去した晩年の姿とするため再塗装を行っています。
 種車のサロ455はは1987(昭和62)年に購入したもので、冷房はAU13Eが標準で取付けられていたので後にAU12Sに交換しています。

 常磐線の451・453系サロは編成中のCP容量不足が予想されたため後天的改造でCP取付が行われました。昭和40年代以降は100番台の方がが多数派となっています。101〜105は新製時からCP付き、107〜119はサロ451-0からの改造車です。したがって、106は双方を区別する理由で欠番となっています。





 サハ451-101


 常磐線の451・453系の中で一番手間が掛かる車両です。モハ446の車体とモハ164-0番台のパンタ側の妻板を切り継いでいます。模型はCP付の101です。
 屋根は流用できるものがないのでモハ153用を使用しモールドを全て撤去して更地にしてから冷房・通風器を配置します。

 画像では非常に見にくいですが床下は若干重装備となっていますので実車画像を参考に機器類をそれらしく並べました。





 サハシ451-13


 451系のグループでありながら仙台の455系基本編成(8号車)に連結するビュッフェ車です。

 屋根および座席は特に手を加えず車体のみの改造で、調理室小窓上部にルーバー2個(タヴァサPT-1403)を追加するだけで後は塗装のやり直しのみとなります。




第2部:455系

 東北線急行『まつしま』・『ばんだい』・『いわて』等に使用されていた仙台の455系です。
 当時の交直流急行形といったらKATOの457系しかなかったのでこれを種車として455系のバリエーションを増やすべく小改造を行ないました。具体的には屋根の改造が主体となりますが、実車では59-2改正以降他系列からの改造車が出てきたのでこちらは形式間改造で対処しています。




 クモハ455-15


 車体は非改造でトイレ部分上部にベンチレータを1個追加します。
 行先サボはなにげに新幹線リレー号用を貼ってあります(笑)

 この車両は1981(昭和56)年の購入で既に35年以上(2017年現在)が経過しており、車体更新を行っています。床下は新製当時のままでこれも35年以上現役で使用しています。





 モハ454-15

 動力車となっています。
 モハ454初期タイプのためベンチレータの配置を変更し、3個を千鳥に配置します。
 また、低屋根部のファンデリアは6連の大型のもの(タヴァサPN-483)を使用します。ファンデリアの6連化はモハ454-9以降(実車の昭和40年度民有車両以降に落成の車両)が対象です。

 製品のままでは低屋根部がちょっと物足りないため↑のモハ452-2と同様、計器用変圧器に穴を明けて碍子をさしてあります。画像では直流避雷器に隠れて見えにくいですが、横方向に差してある碍子がそうです。

 模型は1982(昭和57)年購入の初期製品で動力ユニットは初期の165系・457系で見られた座席のモールドが表現されているアルミダイカストが左右に分割されているタイプでした。モータ〜台車間はユニバーサルジョイントで結ばれている1977年発売のキハ82系以降採用されていると思われる当時のKATOの標準ともいえる方式でしたが、老朽化が進み部品の確保が出来なくなり動力ユニットは1982年発売の185系以降の製品に採用されたタイプのものに更新しています。製品は1987年頃に設計変更されており動力ユニットは前述のものに変更されています。






 クハ455-71

 新製時より冷房車として製造されたクハ455の後期形(65〜)で、改造は屋根だけで両端のベンチレータは撤去します。
 実車は1979(昭和54)年に汚物循環処理装置を取付けており、模型でも銀河のパーツを使用して再現しました。




 
クハ455-505

 東北上越新幹線開業の57-11改正で急行『佐渡』編成から外されて休車となっていたサハ165を改造した車両で、仙台には502〜505の4両が登場し59-2改正から使用されています。
 サハ165の車体の一部をシャシーごと輪切り切断し 、その跡に運転台ブロックを接合して先頭車化改造を行なったものでステップの増設も行なわれ455系と同じ体裁に仕上げられています。
 先頭の運転台ブロックですが、当時増備が進んでいた415系用を流用した関係で全長がオリジナルのクハ455よりも150mm短くなっています。また車体構造の関係と思われますが乗務員室扉と新設された前位の側扉の間隔がオリジナルのクハ455よりも開いており、その分戸袋窓部分の寸法が短縮され戸袋窓がひと回り小形のものが付いています。

 模型は455系東北色のページで紹介しているクハ455-502と同じ手法で改造を行なっております。種車はクハ455を使用し、前位の側扉の移設および運転台ブロックをクハ115用のものに変更しています。小形の戸袋窓はクハ115の戸袋窓部分を流用します。
 屋根はクハ455用を改造します。冷房と通風器については一旦全てを撤去し、改めてサハ165と同位置に配置し直します。また運転席側の冷房装置は1台撤去した改造初期の状態を表現するためTOMIXの冷房準備蓋を取り付けます。これは実車の先頭車改造において新設されたデッキと客室の仕切りが真下にくる関係で冷房が取り付けられないためであり、クハ455-600にもその例があります。

 先頭部の屋根 (検電アンテナの前) には耐寒形ホイッスルを取り付けます。これは59-2改正以降に登場した東北および北陸向けクハ455化改造車全般に見られる特有の装備で、タヴァサのホイッスルカバー大 (PN-499) を使用します。このパーツは私が長岡のクモニ83改造で使用しているのと同じ部品です。
 座席は製品のままでも良さそうな感じですが、実車は59-2改正時点で戸袋窓部分の2区画だけ2人掛けロングシート化されており(前述の通り戸袋窓部分の寸法が狭くセミクロスシートが設置出来ないためと思われる)、模型でもロングシートに変更しております。
 東北色クハ455-502の項でも述べていますが、実車通り全長短縮を行なうと床下のウェイトや台車集電板の位置関係に狂いが生じ集電不良等の不具合が予想されるため全長短縮は敢えて省略しています。





 サロ455-45


 1970(昭和45)年登場の後期形で、実車では42〜45の4両が該当し仙台には45のみ配置されています。
 元のクーラーの台座(6箇所)を全て撤去し、別の屋根から持ってきた台座5個を接着してAU13を取付けます。トイレ上部の通風器がないのは後期形共通の仕様です。
 ↑のサロ451-119と同様、製品は青帯付きなので再塗装して青帯を消してあります。グリーンマークは181系用のものを転写します。






 サハシ455-16


 ↑のサハシ451と異なるのはビュッフェ部の窓の高さで、サハシ451と比較し約0.5mm下げます。これは業務用扉も含めて両側面とも同様です。ただし、ビュッフェ調理室側の2箇所の明り取り窓は高さを下げても意外と目立たないのでこの部分の改造は省略しても差し支えないかと思います。側面の行先サボ受けですが、ビュッフェ部の改造で犠牲になるので切継ぎ後にタヴァサのエッチングパーツで改めて追加します。

 またサハシ451の場合とは異なり調理室小窓部分のルーバーは1個が屋根に移設されたため (模型では移設された通風器は適当なパーツがないので表現は省略)、車体側のルーバーは1個のみとなります。

 実車ではサハシ455からビュッフェカウンターに着席用の椅子(12人分)が追加となりました。模型では改造当初は適当なパーツが見当たらなかったので取付を省略していましたが、修理用の予備品をいじっているうちに東北新幹線200系普通車の座席が寸法的にギリギリな状態で使用出来る事が判り、これを1個ずつ切断して実車画像を参考にそれらしく並べました。ビュッフェカウンター部の配色は調理室側のカウンターは湘南色の緑2号、喫食用テーブルが赤、カウンター座席は中央の4席が京浜東北青22号、両端各4席が白です。



第3部:475系改造車

 KATOの475系基本セット(10-461、60Hz帯入り)6両を東北仕様に変更しました。
 今回はこのうち3両をUPします。主な変更点は60Hz帯の消去と先頭車のタイフォンの2点です。






 クモハ455-203

 実車はクモハ453-21の改造車です。
 クモハ455-0との違いは床下に集中しており、トイレ・洗面所用水タンクの撤去(模型はそのままです)と、画像では見づらいですが1位側台車の脇に空気圧縮機を取り付けます(↑のクモハ453-2と同様です)。
 実車は前述の通り水タンクの設置スペースがなくなった関係でトイレ・洗面所は撤去されています。






 モハ454-203

 製品のモハ454とほぼ同じです。実車はモハ452の中で唯一、側面ルーバーのないモハ452-21からの改造車なのでモハ454と同様ルーバーのない普通の外観となっています。
 低屋根部の肩にあるグリルは3連です。





 クハ455-1

 タイフォン形状が異なるので銀河のタイフォンカバー(暖地向電車・気動車用:N-061)をかぶせて瞬着で固定しています。





第4部:仙台の訓練車

 交直流急行形色でありながらこの3両だけはJR仕様です。
 各車両とも一般車と同じ改造を行ってから車体に白帯2条と訓練車の文字を追加します。いかに白帯をキレイに入れるかが最大のポイントです。実車は全車とも塗り屋根となっていますので模型でも塗り屋根仕様としました。

 訓練車特有の装備等はありませんので白帯を剥がせば営業車に戻せる仕様になっています。改造は2007(平成19)年です。





 クモハ455-1

 屋根に加工が集中しておりベンチレータ1個とJR共通無線用アンテナを追加します。





 モハ454-1

 動力車です。
 ベンチレータは3個千鳥配置に変更し、低屋根部にルーバー(3連)を追加します。




 クヤ455-1

 車体・屋根は非改造で白帯と訓練車の文字の追加のみです。
 訓練車の文字はGMクモヤ143キットに付属のもの(M-1036N)を使用しています。このインレタは単品でも発売されていますが、入手は比較的難しいです。

 以上、訓練車の3両は車体の再塗装を行っています。
 イヤラシイ切継ぎなどの作業はないので比較的容易に製作することが可能だと思います。



 訓練車は絶対製品化される事は無い!と思って製作しましたが、まさかTOMIXからリリースされるとは・・・(汗)


 455系も結構いじり応えがあります


 改造いろいろ


 1.サハ451-101の製作

 種車はモハ456を使用します。


 低屋根部分の妻板を撤去し、モハ164から捻出した妻板を接合します。
 切継ぎは客用ドアの位置の関係から車体と妻板の接合部分を45°に削って瞬着で接着しています。

 妻面は画像のように窓以外のモールド(電動機冷却風取入口 等)は全て削り取ります。トイレ側(2位側)も同様です。


 切継ぎに際して切り取った妻板は貫通扉がなく非常に壊れやすい状態ですので、接着するまでは取扱いに注意してください。

 塗装は下地処理としてグレーを吹いた後、クリーム4号→赤13号の順です。
 塗料はGMカラーを使うのが早いですが、GMカラーのラインナップに赤13号はありませんので自家調合が必要になります。
 確かどこかのメーカーでエッチング用の赤13号塗料が発売されていたと思いますがこれは金属用であり、プラ車体に塗装するとプラが侵される危険性がありますので使用しない方が無難でしょう。



 自家調合はGMカラーのNo.20をベースに
クリーム10号(No.21、185系旧塗装などのアイボリーホワイト)とクリーム1号(No.5、スカ色のクリーム色)を少量混ぜて既製品に極力合わせるようにしています。











 屋根ですが、流用できるものがないのでやむを得ずモハ153用をベースにクーラー・ベンチレータともに実車画像を参考にして配置しています。
 クーラーは昭和55年当時の画像に基づいて配置しており、AU13E・AU13ENの混使用です。









 床下はこんな感じです。
 改造が終わってそのまま組むと1位側(今回改造した妻板の側)で床下と座席が干渉します。
 製品のモハ456(非動力車)の床下もこの部分は干渉を避ける構造になっていますので、この部位のみ床板を鉄ヤスリで薄く削る必要があります。



 床下機器は画像のように並べました。再塗装していないので見た目がちょっと気の毒ですが(笑)




 2.サハシ455-16の製作


 その1.車体の切継ぎ

 KATOのサハシ455は正確にはサハシ451タイプです。実車のサハシ455はビュッフェ部分の窓が若干低いので、私としては非常に気になりました。
 一見、何の変哲もないサハシですが、かなりの改造が必要になります。

改造の概要を以下に示します。




 その2.座席の製作

 実車のサハシ455はビュッフェ部の設計変更が行なわれ、業務用控室の寸法変更・カウンター側テーブル幅の変更を行ない喫食テーブル部分にFRP製の座席12脚を設置した点がサハシ451と異なる部分です。

 模型ですが、カウンター席は東北上越200系普通車の座席を利用して取り付けます。座席は実車と同様2〜3席分がひとまとめになっているので一人分ずつ切断して接着します。
 流石にカウンターテーブルの幅は変更出来ません。カウンター部はそのままの状態で座席を追加するので通路幅が極端に狭くなり通行人の通り抜けが難しくなりますが無視します(笑)。




 3.モハ454の屋根


 455系東北色の項でも述べましたが、モハ454は初期形と後期形でベンチレータの数・配置が異なっており模型でもその違いを再現しています。

 画像上は新製時に冷房準備車として登場したグループで、ベンチレータは5個です。モハ454-37〜が該当します。

 画像下は新製時は非冷房車だったグループで、ベンチレータは3個です。













 4.クハ455-500番台・600番台の車体切り継ぎ状況

 クハ455-500番台・600番台の製作は車体の切継ぎが必要になります。画像は切継ぎを終えて最低限の下地処理を行なった状態で撮影したもので、この後に車体マスキングおよび筆塗り塗装によるユニット窓枠の表現・同じく切り継ぎおよび仕上げのために犠牲になったユニット窓枠モールドの復活、信号炎管および検電アンテナ用の孔追加および各種サボ受けの追加を行ないます。

 以下に概要を示します。





   <クハ455-500番台>


 種車の車体にクハ115の運転台ブロックを接合します。

 画像は捻出した部品の関係で前位の側扉部分も切り継ぎを行っていますが、種車体にクハの運転台ブロックを直接接合する場合はこの作業は不要です。

 戸袋窓はオリジナルのクハ455とは異なり幅の狭いタイプを使用します。


 実車のトイレ側の妻面には改造銘板1枚が追加されているので、タヴァサの楕円形製造銘板(PX1471) を使用して追加します。


   <クハ455-600番台>


 サロ455の車体に運転台ブロックを接合する作業がメインです。

 側扉は前位と後位で幅が異なります。前位は広幅なので他の普通車の車体から切り取って流用します。
 前位側扉のステップですが、切継ぎ位置の関係でどうしても犠牲になるので切継ぎにより短くなった分は別の材料を接合して元の寸法に戻します。

 この車両もトイレ側の妻面には楕円銘板 (日本国有鉄道銘板・製造銘板・改造銘板の3枚) を追加します。


 実車のクハ455-500番台ですが、東北向けの502〜505と九州向けの501の2つに分類されますが、実は同じクハ455-500番台でありながら外観的には双方とも一部差異があります。以下に違いを述べてみようと思います。
 何れも59-2改正時点のもので、民営化後に改造されて当てはまらなくなっている部分があります。

  〜クハ455-500番台の特徴〜

   a.先頭部のタイフォンは東北向けは蓋付きの耐寒形、九州向けはスリットタイプ
   b.東北向けは交直検電アンテナの前に空気笛があるが九州向けにはない
   c.最前部の冷房は九州向けは種車と同じAU75E×6台、東北向けは最前部の1台が撤去されAU75E×5台に  撤去された所には冷房準備フタが取り付けられた
   d.室内レイアウトにも差異があり、九州向けは両端部の8区画をロングシート化、東北向けは戸袋部のみの2区画をロングシート化 (東北向けは急行運用があるため)
   e.乗務員室側デッキと客室の仕切り壁は東北向けにはあるが九州向けにはない (これが前述c項の違いとして現れている)



 この違いはクハ455-600番台にも傾向として出てはいますが、前述の5項目のうち600番台にもあてはまるのはb項のみで他は東北向けと九州向けで同一仕様となっています。


 またクハ455-500番台の戸袋窓はオリジナルのクハ455よりも幅が狭くなっていますが(クハ455-600番台も同様)、これは車体構造の関係でオリジナルと改造車で側扉の位置が異なるためです。
 下の画像は左がオリジナルのクハ455、右がクハ455-500番台です。


 (画像は左は1990年11月3日、右は2006年7月22日、何れも郡山駅にて撮影)



 5.クハ455-502の座席など





 前述の通り車体寸法の関係で戸袋部分のみロングシート化された初期仕様となっています。実車は1986年に仙台所属全車(502〜505)を対象に新塗装化および近郊形化改造が施工されロングシート部が拡大されました。


 検電アンテナは415系のものを使用し車体に孔を新設し取り付けます。検電アンテナの前部にはホイッスルを取り付けます。検電アンテナ・ホイッスル・信号炎管の位置関係は画像のとおりです。










 5.サロ455-45の屋根


 後期形でクーラーは5個です。クーラーの間隔は19mmとし、ベンチレータはクーラーの真横で揃う位置となります。

 参考までに165系サロ165-130〜も同様です。








 7.先頭部分




 左はシールドビーム化されたクモハ453-2、右は訓練車であるクモハ455-1です。
 クモハ453の先頭部分はクハ411の流用です。ヘッドライト遮光板をクハ411用ヘッドライトレンズが収まるよう若干の加工を行っています。

 KATOの近郊形・急行形電車全般にいえる事ですが、増結用交換台車にスカートを装着するとスカートが若干奥に引っ込んだ感じになります。
 そこで、スカートの取付部を加工して製品状態よりも若干前に出る位置で台車に接着しています。
 台車・スカートとも接着剤ののりにくい材質で出来ており接着がやや不完全になってしまいますが、ぶつけたりしなければ特に問題はないように思います。



 続いて、475系からの改造車です。


 製品の475系はおわん形タイフォン仕様ですので、上から銀河の暖地向けタイフォン(N-061)を取り付けます。

 N-061の取付ですが、エッチングランナーから切り離した状態では平らとなっておりそのままでは取付が出来ません。そこで製品のランナーに付けたままの状態でタイフォンの裏面から先の細くなっている金属の棒状のもの(私は大きめの+ドライバーを使用)して少しずつだましだまし湾曲させるよう整形し、瞬着で固定しています。
 タイフォンパーツの整形(湾曲)は少し控えめな方がいいと思います。


 最後に60Hz帯消去のため車体全体にヤスリがけを施した後に再塗装しています。

 参考までに塗装の順序ですが、ヘッドライトがデカ目なので若干塗装工程を変えており、以下の順序にて塗装を行っています。


1.先頭車の裾周り(乗務員扉付近まで)のみ赤13号を吹く(マスキング不要)

2.乗務員扉から前側およびヘッドライト部分から下をマスキングしクリーム4号を吹く
 (
ここで先頭部分の下半分の塗り分けラインが決まります。作業は丁寧に!)

3.1で塗装した部分および窓廻りをマスキングして赤13号を吹く


この作業手順(都合3回塗り)で塗装すると手間が増えますが2回塗りで仕上げるよりも先頭部分の塗装ラインが乱れることなく比較的キレイに仕上がります。



 8.常磐線列車無線アンテナ

 勝田電車区配置の451・453系のクハ・クモハには常磐線列車アンテナを1両に付き2台取り付けます。
 同じ勝田区の401・403・415系近郊形電車とは異なり屋根上の配管は付きません。





〜最後に〜

今回は訓練車以外は国鉄時代の再現が目的ですので、民営化後に多発する外観の変化を伴うような改造は冷房改造を除いてほとんどなく、原形に対し忠実に模型化すればよいので実車調査は比較的楽でした。
交直流急行色の塗装は赤13号の発色に注意すればとりあえずそれらしく見えるのですが、実車の赤13号は他の色に比べて褪色が早いので国鉄時代によく見かけたちょっと色褪せた455系を再現するのもありでしょう。


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