急行形・一般形気動車
今回は北関東および東北地区で見られた気動車の特集です。
東北地区では通勤形・特急形およびキハ65以外のほとんどの形式が見られたと言っても過言ではなく、さまざまな形式の車両が1両単位で連結されてローカル線のみならずローカル線からの流れ込みという形で主要幹線(東北本線・奥羽本線等)に乗入れる列車が数多く存在していました。
国鉄時代の60-3改正から始まった東北地区普通列車電車化の波を受けて気動車はローカル線に押し込められる運用が徐々に増えていき、現在はキハ110系による置換えの影響でだいぶ数を減らしています。
以下に紹介する車両は烏山線キハを除いて全て国鉄仕様で、往年の国鉄時代の雰囲気重視で製作した車両群です。基本的に車体関係の加工がメインで加工自体は動力車/非動力車とも共通です。
模型の製作は1990(平成2)〜2014(平成26)年、車両はキハ23・45の車体がGM製、キハ26がTOMIX製の他は全てKATO製です。カプラーは全てTOMIX製のTN密自連(0391、一部はボディマウント式と併用)を装備しています。
↑ 東北線を走る2両編成の普通列車 60-3改正までは仙台地区においても架線下だけを走る気動車列車が多数設定されていた
それでは各車の写真です。真横の形式写真は全て新しいものに差替えました。
第1部:烏山線のキハ40
キハ40 1004
まずは烏山線のキハ40ワンマン車仕様です。
実車は都合のいいことに冷房改造車でありながら外観の変化がほとんど無く、車体側面(両側扉の内側)2箇所にワンマン表示器を追加するのがメインとなります。
ワンマン表示器は適当なものがないのでタヴァサのモハ450側面ルーバー(PT-1403)セットに入っているトイレ臭気抜き窓の中から適当な大きさの物を選んで取り付けています。表示器自体はとても小さなパーツですが、画像のように色塗って黒Hを表現するととてつもなく目立つようになります。
また、実車の側扉の窓ガラスは金属押さえタイプとなっており、扉の上半分を切除して185系から移植したものと接合してあります。扉の窓ガラスも185系からの流用です。その他車体関係の変更点はJR統一無線の追加、2エンド側(実車では上野向き)の幌を撤去しタヴァサの新型国電用幌枠(PN-1431)を接着して幌のない状態にしています。
実車は車両更新車ではないのでワンマン表示器部分以外のHゴムは白Hのままとしています。
キハ40 1004(反対側)
反対側の塗分けはこうなっております。
プロトタイプはトイレが撤去された1000番台ですが、実車の水タンク付近の状況が確認出来ず模型ではそのままにしてあります。
塗装はクリーム10号に緑14号帯です。緑14号は市販されていないのでGMの緑15号(埼京線205系用)に緑2号(湘南色の緑色)を若干混ぜています。塗装順序はクリーム10号で1色ベタ塗りした後にマスキングを施して緑14号を吹きます。
マスキングですが、側面は問題ないのですが前面はタイフォンがあったりで凹凸が多いです。凹凸部分にかかるマスキングを伴う塗装は塗り分けラインがどうしても滲んでしまいがちです。
そこで私の場合は塗装直前に先が細く尚且つ先の鋭くないもの(ツマヨウジの先端を少し潰したもの等)で再度マスキングを密着させています。また、別の方法もあり今回の例で言うと2度目の塗装に入る前にマスキングの複雑な部分に1回目で吹いたクリーム10号を再度軽く吹いてマスキングの浮きやすい部分にクリーム10号をしみこませておき、乾燥後緑14号を吹くとにじみをある程度防ぐ事ができます。私は普段は前者の方が圧倒的に多いです。
室内は非動力車のみになりますが実車に合わせてロングシート化してあります。側扉〜側扉間のメチャクチャ長いロングシートです。また烏山線の特徴として全車両の側面および前面にかなり大きい七福神のステッカーが貼ってありますが、模型ではそこまで再現できずあっさり省略しています(苦笑)。
烏山色はJR地域カラーの印象が強いですが、登場は国鉄末期の1986(昭和61)年11月であり立派な“国鉄色”です。また余談ですが烏山線のキハ40は国鉄時代から東北地方のキハ40系でよく見かけるタブレット保護柵は取り付けられておらず、ワタシの所有するキハ40系で唯一保護柵が取り付けられていない車両(国鉄仕様を含む)となっております。
烏山線用キハ40の七福神ステッカー
宇都宮運転所所属の同線用キハ40全車に貼られている。
Nでここまで再現しろというのはワタシにはムリですわ・・・(汗)
第2部:常磐線・水郡線のキハ
キハ47 188
続いて水郡線用として水戸配置のキハ47-0番台です。
改造は妻面側のトイレの追加で、窓1箇所を潰してトイレ窓を追加します。トイレ窓はキハ40から捻出して使用しました。屋根はキハ47をベースにキハ48からトイレタンク部分を持ってきて切り継いでいます。車体の妻面側天井部分ですが、切り継いだ屋根のトイレタンク部分と干渉しないように現物合わせで低屋根に改造します。また、本車両は水戸側を向いている車両なので先頭部分に付いていた幌は撤去し、取付孔を塞いで下地を仕上げてからタヴァサの新型国電用幌枠(↑のキハ40と同じ)を取り付けています。
模型は国鉄時代の再現なので乗務員扉脇(運転席側のみ)にタヴァサのキハ40系用タブレット保護柵(PS-602)を追加しています。塗装は車体とは別に行い、後付けしています。
1991(平成3)年に改造した車両ですが、車体の経年劣化(ちょっとした衝撃でも割れやすくなる)が出てきたので2012(平成24)年7月に車体更新を行なっています。画像は車体更新後のものです。全く同じ改造工程で製作しました。
塗料はGMの朱色5号(No.43)を使用しましたが、製品そのままではなんとなくとぼけた色なのでMr.カラーのNo.79(シャインレッド、赤11号相当)とクリーム色5号を少し混ぜて既製品のキハ40系に極力揃えるよう調合を行なっています。
キハ47 1129
これも水郡線用ですが、こちらはトイレなしです。郡山側を向いている車両なので妻面側の幌を撤去するだけで済みます。車体の切継ぎ等はなく幌の撤去を行なっただけですが、幌の取付孔を埋めた関係で車体全体を再塗装する事に・・・
水戸配置ですが常磐線用ではないので無線アンテナは不要です。
キハ28 190
60-3改正まで上野で見られた急行ときわ・奥久慈用のキハ58系で、実車でも少数派だった非冷房車です。常磐線用らしく屋根に常磐線用無線アンテナ2個を追加します。非冷房車の場合はベンチレータの移動は不要です。
また、乗務員室側の側扉にはタブレット保護柵(タヴァサPN-601)を取り付けますが、接着が目立たぬよう微量の透明ゴム系接着剤(私はコニシ ボンドGクリヤーを使用)で車体側に接着します。
タブレット保護柵は車体側に接着しているので分解時窓ガラスを外しても保護柵は車体に付いたままとなっています。
キハ28 2384
こちらは冷房車で↑のキハ28と同じく常磐線用無線アンテナを追加しますが、冷房車なので改造が非常に面倒になります。
アンテナ設置場所を捻出する関係でクーラー2個(画像基準で左から2・3番目)をお互い約3mmずつ反対方向(左から2番目は先頭側へ、3番目は妻面側へ)にクーラー取付台座ごとずらします。これはキハ28・58とも共通の改造ですが、ベンチレータは移動していません。
参考までに水戸配置のキハ58系のうちキハ28について冷房/非冷房問わずはほぼ全車がアンテナ付きらしい(?)のですが、キハ58については一部に未搭載の車両があったようです。
キハ58 578
↑のキハ28と同様、常磐線無線アンテナを追加します。
第3部:仙台・盛岡・秋田地区配置車
キハ23 504
キハ40の車体更新改造車です。
車体はGMのキハ23をストレートに組んだもので、ヘッド/テールライトユニットおよび床下・座席はキハ40からの流用です。
ライトは若干の調整が必要になりますが充分流用が可能です。また、床下は種車のエンジン・変速機・燃料タンク等のモールドを全て撤去してキハ28用床下から削ぎ取ったディーゼル発電機以外の全ての機器を取り付けます。
キハ23 515
こちらは動力車です。
種車(キハ40)の動力をそのまま使用しています。エンジン等がモールドされているモーターカバーもキハ40用そのままで本来は取り替えるのが正解ですが、DMH17系で1エンジン式のものが製品に無いのでやむを得ずキハ40用をそのまま装着しています。現在であればキハ35系の動力が使用出来そうな感じがしますが、まず全長が異なりライトの点灯方式も全く互換性がないので流用はかなり難しいと思います。
スカート周りですがKATOの動力装置を使用していることもあり、GMのキハ23キットに含まれているスカート一式が装着出来ません。KATOのキハ40系用を流用しました。
キハ45 516
これも↑のキハ23と似たような改造でこちらはキハ47が種車です。
基本的な改造内容はキハ23と同様です。
キハ40系を改造して製作したキハ23・45ですが、種車の床下を利用した関係で動力/非動力を問わず全車共通でヘッド/テールライトは点灯式です。室内灯も床下の基本構造はいじっていないのでKATO製がそのまま取付可能です。
スカートは故障により外しています(汗)
キハ48 1534
キハ48-0の改造でトイレの撤去とそれに伴う屋根の加工を行なっています。車体はトイレ跡に狭幅の窓を切継ぎ(キハ40から流用)、切継ぎ改造時に犠牲となった狭窓脇の2箇所のサボ受け(タヴァサPN-411を使用)を復活させます。屋根はキハ48とキハ47の妻面側を切継いでいます。
この車両は奇数向きの設定で2エンド側の幌を撤去し、↑の烏山線および水郡線キハと同様タヴァサの幌枠を接着しています。またキハ40・48全車共通(烏山線用を除く)で乗務員室側の側扉(キハ40は全ての側扉が対象)にはタヴァサのキハ40系用タブレット保護柵(PS-602)を塗装後に接着しています。
このページの公開時(2003年12月)の時点では屋根はキハ47-1000をそのまま流用しただけで、この車両のベンチレータ配置を近日中に修正すると書きましたが、2012年7月に屋根の改造を行いようやく完成となりました。車両改造後20年を経過してやっと屋根の本格改造を行なう結果に・・・
車体はキハ47 188と同じ経年による材質劣化が見られたので2012年7月に車体更新を行なっています。画像は更新後のものです。
キハ48 544
動力化してみました。動力一式はキハ47用がそのまま使用出来ます。キハ40用を使用する場合は妻面側になる方のスカートを外すことにより対応出来ます。
切継ぎ加工等は特になく簡単に編成のバリエーションを増やすことが可能です。
キハ52 149
キハ52の後期形に属するグループです。トイレの照明が蛍光灯に変更された関係でトイレ窓が長方形のタイプに変更されています。トイレ窓の大きさのバランスを考慮してKATOのオハネフ12から移植する方法を採りました。
昭和40年度1次債務以降の車両(キハ52 138〜、キハ22 317〜)が該当します。実車ではキハ22は北海道・盛岡・秋田地区に、キハ52は大半が盛岡地区に配属されています。
画像のキハ52はGMカラーの朱色5号(No.43)を何も考えずそのままエアーブラシで吹いてみましたが、前述の通りなんとなくとぼけた色なので調色が必要でしょう。この不具合を反映したのが2012年に更新改造を行なった↑のキハ47・48です。
キハ58 527
もっとも東北向けらしい(?)キハ58です。
以前発売されていたKATOの非冷房タイプで、先頭台車にスノープロウ(複線用)を追加し、乗務員室側側扉にはタブレット保護柵を追加します。
因みにキハ58系のタブレット保護柵ですが、西日本などでは車体色に塗った車両が多く見られますが東北では画像のような無塗装タイプが多数派のようです。
保護柵を塗装する場合は↓の『7.水郡線のキハ47を作る』の項で述べますがかなり難しい作業になります。塗装する場合は近似色となってしまいますが三菱ペイントマーカー(PX21)の赤が使えそうです。
参考までに、特定は出来ませんがスノープロウは東北地区は複線用を、新潟地区は単線用を装着する傾向があるようです。
キハ58 741
一見普通の平窓キハ58ですが平窓タイプ後期形に改造しています。改造は至って簡単で、屋根のベンチレータを1個(キハ28は2個)追加するだけです。使用したベンチレータはGMの押込み型ベンチレータ(No.70-3)で、両端を切り落として寸法を詰めています。
後期形タイプですが、実車は昭和40年度第1次民有車両以降に登場したグループ(キハ28 415〜494、キハ58 655〜1052、但し冷房改造車を除く)が該当します。
キハ58 1519
KATOの平窓車を種車にパノラミックウィンドウタイプの1500番台を製作しました。
改造は先頭部・トイレ窓・屋根に集中しており先頭のパノラミックウィンドウ部はキハ40系から移植しています。屋根は運転台方向に約2.5mm延長しますので車体はその分削って対応します。車両は冷房準備仕様に改造しますので種車の屋根のモールドは全て撤去し下地を仕上げてから冷房準備蓋・ベンチレータ・水タンク(全てTOMIX製のキハ58-1500用)を配置します。冷房車にする場合は冷房取付座の撤去は不要です。
また、パノラミック車の特徴でもある先頭部分のスカートはTOMIX製のJC63を装着します。取付に当たっては若干の調整を行ないますが、スカート本体は接着剤で固定しているだけです。
画像は水タンクが丸型をしているキハ58-1500番台後期形(昭和42年第2次債務車以降に製作された1512〜)です。
キハ58 1519(反対側)
↑の反対側の画像です。改造点は乗務員室扉の位置変更とトイレ窓の形状変更です。乗務員扉を前に移動しますので客用扉との間隔があきます。ここにキハ47から捻出したタブレット保護柵部分の車体(助手席側)を切り継ぎます。また、トイレ窓は115系からの流用です。
床下は前述のスカート取付以外は非改造です。
キロ28 170
クーラーをAU13(亀の子タイプ)に変更します。
車両はKATO製ですが、AU13はTOMIX製を使用した関係で冷房取付用台座の加工が必要となり、改造工数が予定よりも多くなってしまいました。
模型は新製時から冷房車のタイプですが、冷房装置は亀の子タイプのAU13を搭載しています。余談ですが同じ秋田配置のキロ28 169はキハ82系から捻出されたDT27を装着している異端車です。
キハ26 429
キロ25の普通車格下げ改造車です。
模型も実車同様にキロ25が種車です。車体はほとんど手を加えておらず座席の改造が中心になります。
キハ55系の一員ですが普通列車用ということで1色ベタ塗りで済む(!?)首都圏色でまとめました。実車は一ノ関機関区(盛イチ)の所属で主に大船渡線・盛線・北上線で使用されました。
第4部:細かい部分の解説
1.キハ40系の幌撤去
KATOのキハ40系ですが製品は両端に幌が取り付けられており、外観上はエラーです。そこで、全車共通で2エンド側(偶数側)の幌は撤去し、取付孔を埋めてから前述の幌枠を接着します。
なお撤去する幌は片側のみですが、撤去する側は車両によって異なりますので撤去改造が完了した段階で車両の向きは自動的に決まることになります。
右の画像は幌部分改造中の様子を撮影したものです。切継ぎはありませんが周辺のモールドを潰さないように注意する必要があります。
わかりやすくするため大きめの画像にしてあります。
2.キハ23・45 床下の改造
次にキハ40系改造のキハ23・45で改造規模が最も大きかった床下部分です。
まず、種車のキハ47の床下機器を全て撤去して更地にしてから、キハ28の床下からそぎとったエンジン・発電機・水タンク・および周辺機器を接着します。
。キハ23・45ともエンジン等の配置は同一となっており(写真上がキハ45、下がキハ23)、基本的な機器配置はキハ28(非冷房)に揃えています。
3.キハ28・58非冷房車後期形の屋根改造
実車を観察する時に意外と見落とすのが非冷房車の後期型仕様ではないかと思います。改造は屋根に集中しておりベンチレータの追加を行ないます。
追加するベンチレータの数は前述の通りキハ58は乗務員室側のみ1箇所、キハ28は車体両端に1箇所ずつの計2箇所となります。
使用するベンチレータですが、押込式角型ということで真っ先にTOMIXの415系700番台用(PB-103)を思いつきましたが外観がかなり異なるので使用出来ず、外観を既製品に揃えるためやむを得ず前述の通りGMのNo.70-3を使用して寸法を詰める方法を採りました。
切断は手作業なので切る位置の関係で部品の空洞部分が露出する場合がありますが、プラパテで埋めて再塗装してしまえばほとんど判らなくなります。
4.水戸仕様キハ28・58の常磐線用無線アンテナ取付
60-3改正まで急行ときわの一部や急行奥久慈として上野駅へ乗入れていた水戸機関区のキハ58系ですが、常磐線を走行するため常磐線用列車無線を搭載しています。
そこでキハ58系にも取り付けてみました。
非冷房車は簡単でベンチレータの移動等はなく画像のように2個取り付けます。正確な取付位置・寸法は残念ながら資料が無く実車画像を参考に並べてあります。
アンテナ本体は銀河の常磐線用列車無線アンテナ(N-007)を使用しますが、四角い取付ベースに使用しているのは実はTOMIXのキハ58-1500用冷房準備フタです。2本あるスジは削り取ってしまい平滑に仕上げた後に中心位置(アンテナ取付用)にピンバイスで穴を開けます。
アンテナ一式は塗装前に取り付けておき、最後に一括して塗装して完成です。
次に冷房車ですが、さすがに非冷房車のようにはいかずクーラー2箇所の移動が必要になります。
詳細は画像の通りで、クーラー取付台座をそれぞれ移動します。私の場合は一旦台座を撤去して平滑に仕上げてから別の屋根から捻出した台座(根元から切り離しておきます)を接着しています。台座は165系用から捻出しました。
根元から切断して接合しているので強度的には問題ないと思います。
これで他区の車両とはちょっと趣の変わるキハ58系が出来ました。が・・・
ひとつだけ問題があり、往年の常磐線急行『ときわ』として組成しようとするとキハ全車に対しこのような改造が必要になるということでしょうか(笑) 正直言って見た目以上にかなり手間のかかる作業です。
5.キハ58-1500番台化改造
70年代よりTOMIXから発売されているタイプ(1994年に現行製品にリニューアル)ですが、KATO製平窓車から改造で作ってみました。
改造は先頭部分と屋根が中心です。この車両の最大の特徴であるパノラミックウィンドウはキハ40系からの流用で、窓部分だけ移植します。
車体・屋根関係の改造は概ね以下の画像の通りです。
特に注意すべき点は屋根の延長で、ちょうどヘッドライトレンズの真上になるためライト点灯時に光漏れが発生しやすくなります。製品のように車体に屋根を差し込むような構造にすれば光漏れが防げますが、ここはちょうどナイフなどの工具が入りにくい構造で、加工がやっかいな場所であります。
仕上げとしてTOMIX製のスカート(JC63)を取り付けます。
取り付けは若干の調整が必要ですが、特に問題なく装着できます。固定は接着剤によっています。台車はカプラー部分を根元から切断して(今回はカプラー部を破損した台車をリメイクして使用)取り付けますが特に干渉などの問題は発生していません。
6.烏山線用キハ40のワンマン化改造
ウチのキハ40系では唯一のJR仕様車です。実車は思っていたよりも外観上の変化は少ないので模型化は比較的楽です。車体の加工は客用扉の窓ガラスをHゴムから金属押さえタイプにするのが最大の変更点になります。
先頭部では他車と同様、幌の撤去・幌枠の追加を行ないます。ワタシとしては初期の改造であり、貫通扉上部にある幌取付用の孔を埋めていません。当時は省略してもあまり目立たないかな・・・と思って加工はしていませんでしたが、さすがに見慣れてくると段々気になるようになってきます(笑)
最近の改造では前述の通り3箇所の孔は完全に埋めています。
実車ではトイレは撤去されておりトイレ窓は透明ガラスに変更されているので模型でもトイレ窓の色差しは省略しました。
本当はトイレ用水タンクを撤去したいと考えており、何度か宇都宮駅に行っては調査を試みたりするのですが何せ停車位置が悪く実車の調査・撮影が難しいのでそのままにしてあります。
画像は動力車です。
実車はロングシート化されていますので模型でもロング化してあります。トイレがなくなった事もありかなり長いロングシートが特徴です。
ワンマンカーですが運賃箱までは再現していません(笑)
7.水郡線のキハ47を作る
水郡線向けに特化した話ではありませんが・・・
キハ47-0の製作ですが、トイレ窓と屋根の水タンク追加の2箇所となります(画像は更新前のキハ47 188のものを使用)。
車体の天井部分は屋根のタンク部分との干渉を防ぐ目的で左側の画像のように平らにしますが、外から見える部分ではないので干渉さえしなければ切継ぎだけで仕上げは省略してもいいかなと思います。
妻面はタンク部の低屋根に合わせて削ります。
屋根はキハ47をベースにキハ48のタンク部分を切継いでいます。
実車キハ47のトイレ付近
キハ47の詳細が判らなくてこのトイレ付キハ47取材のために新潟遠征を強行した(笑)
画像はキハ40系のみならず115系も全車(弥彦線ワンマン車を除く)が旧新潟色で占められていた頃のもの
1991. 8.-3 新潟駅
キハ47のタブレット保護柵はNゲージパーツにするとかなり小さい部品になるので外観上の効果はあまりない(?)です。
にもかかわらず取り付けてみました。
さてこの保護柵ですが、エッチングパーツの割にはモールドが非常に細かくて塗装に苦労します。
塗装前にエッチングプライマーで下地処理してから朱色5号で塗装しますがエアーブラシで軽く吹き付けるか、または吹きつけ用と同じくらいに薄めた塗料で筆塗りするかしないとうまく塗れません。塗料の量が必要以上に多いと格子間の隙間が塗料で潰れてしまいます。吹付量の調節が効かない缶スプレーはまず使えないと思って間違いないと思います。
塗装後に接着剤で取り付けますが白化現象防止の意味もあり瞬間は使わず、使用後もほとんど目立たない透明ゴム系を使用しました。接着剤は少量で充分です。多いとオーバーフローしてはみ出しますがツマヨウジなどでクルクルと巻き取る感じで取り除くとキレイに仕上がります。
国鉄も末期の頃になると全国各地のローカル線ではCTCを導入する線区が増えていき、それに伴い保護柵を外す車両が次第に増えていきました。余談ですが実車のタブレット保護柵はなにも気動車特有の設備であるとは限らず、昭和40年代に仙山線用として投入された455系に装着された例もあります。
8.キハ26 400番台を作る
当初は非冷房車で登場し後に冷房化が進められたキロ28とは対照的にリクライニングシートを装備していない、いわゆる『並ロ』仕様のキロ25やキロハ25は冷房改造の対象からは外されて2等車(現・普通車)へ格下げ改造されることになり、このうちキロ25を改造して登場したのがキハ26 400番台です。
格下げ改造とはいっても形式変更と等級表示変更のみにとどまり、座席は種車のまま(ただし向かい合わせ式に固定されたらしい?)でキハ55などの一般車のような固定クロスシートに変更されてされていません。61両全車が改造され、キハ26に編入されて種車の番号に400をプラスして区分しています。
改造後は全国的に配置されましたが、末期は北東北・中国・九州地区に概ね集約された形となり57-11改正までにほぼ全車が引退しています。
模型も実車同様キロ25(準急色)を種車として400番台を製作しました。車体は特に手を加えておらず、座席の改造に集中しています。車体色は末期に多数登場した首都圏色(朱色5号)としました。
種車はTOMIX製のキロ25(準急色)を使用しています。
塗装後のライン浮き上がりを防ぐため、下地処理を兼ねて400番程度のサンドペーパーで仕上げます。
あとは普通に朱色5号で塗装します。
次に最大の変更点である座席の改造です。
製品のままでもいいのですが、キハ26 400番台らしさを表現するため全席向かい合わせ式回転クロスシートとしました。
改造はやや困難です・・・
まずは方転させる座席に対し背もたれを撤去します。ニッパーを用いて撤去する座席の背もたれ部分のモールドを概ね除去し、カッターとデザインナイフで丁寧に仕上げてざぶとんだけにします。
通路側にある肘掛はそのまま残します。
次に、撤去した背もたれ部分に別の座席から切り出した背もたれ部分を向かい合わせ式になるよう接着します。
今回はKATOのモハ156用の座席から切り出して使用しています。座席の向きに注意して少量最低限のゴム系接着剤による仮接着で位置決めを行ない、瞬間接着剤で最終的に固定しています。
同時に座席の表現が省略されている1列分(画像基準で一番右側の4名分)もざぶとんのみ追加します。
最後に細部塗装を行なって完成です。
座席の色ですが種車の赤色のままの車両と、普通座席車に形式変更したからということなのか一般車と同様のブルーに変更された車両の2つがあるようです。
グリーン車ではないので白カバーは表現していません。
なお余談ですが、キハ26 400番台を再改造したキハ26 600番台もあり、こちらはオールロングシート(ただし621〜はセミクロス仕様)となっています。
また、キユニ26 15・16・19〜22・24の7両はキハ26 400番台の改造車です。
今回は国鉄仕様の気動車について述べてみましたが車体の派手な切り継ぎ改造がないという事もあり、どちらかというと比較的簡単にまとめられるのが特徴です。
キハ23・45についてはキハ40系の改造名義で製作しました が、床下はあまり気にしないのであればキハ40系のままでもいいと思います。
余談ですが本ページの画像では判りにくいですが、首都圏色の車体は製作時期によりGMのキハ23・45首都圏色(塗り直さず製品のまま使用)や以前発売されていたKATOカラーの朱色5号で塗装した車両、GMカラーの同色(No.43)で塗装した車両が混在し、この3つの色(塗料)は全て同じ朱色5号でありながら微妙に色のニュアンスが異なっています。
この3つは実際に並べると明らかに色が異なるのですが、国鉄時代の首都圏色は退色が早く連結している車両によってまばらな色合いにも見えたので、当時のローカル線の雰囲気を重視したこともあり製品やメーカーによる色の違いを避けるための再塗装は一切実施しておりません。
逆に塗り直さない方が1両単位で連結されるローカル線の雰囲気を醸し出すようにも思いますがいかがでしょうか。
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